キャンパス周辺ガイドブック『Bouquet』

第68回目白祭で、キャンパス周辺ガイド『Bouquet』を発行した漫画研究会まるぼつ。
総合責任者のはこさん、編集長のソウスケさんにお話を伺いました!

漫研による「ガイドブック」誕生秘話

ソウスケ「漫画研究会まるぼつは例年、30名程度で活動を行っていたのですが、2021年度はコロナで思うような学生生活を送れない反動からか、34名もの新入生の入会希望があったんです。新歓前後で会員数が2倍に膨れ上がるという、今まで経験したことのない非常事態でした……(笑)」
はこ「それで、今年まるぼつに入ってくれた新入生は、“漫画初心者だけどイラストならたくさん描ける”って子がとても多かったんです。一年目から漫画を描くのはちょっと難しいかも、とのことだったので、じゃあ初心者の方でも参加できるような、イラストが中心の冊子を作ってしまったらいいんじゃないかという案が出て」
ソウスケ「最初はただお題に沿って寄稿するような、イラスト合同本でも作ろうかという話だったんです。いつもの漫画合同誌『VIVID』の亜種みたいな感じで、目白祭で並べようか、なんて話もなったんですけど」
はこ「ふと、まるぼつの自治オリエンテーションに来てくれた1・2年生から、『大学周辺の様子が全然わからない』って話をよく聞いたのを思い出したんです」
ソウスケ「で、はこちゃんが『ソウスケ!大学周辺のおすすめスポットをまとめた冊子を出すわよ!』と(笑)」
はこ「半分見切り発車、まあ会員が67人もいるんだから何とかなるでしょう!って気持ちで……(笑)。私たち2019年度入学生は、ビフォアコロナ最後の入学生なんです。せっかく大人数の団体になったし、後輩たちの役に立つような、そして地域の為になるような何かが作れないかなと考えて生まれた企画が、キャンパス周辺マップ『Bouquet』でした」

何もわからない状態から、一つ一つ積み重ねていった日々

はこ「地域の方に協力してもらうタイプの企画を立てるのが初めてだったので、とにかく五里霧中という感じでした」
ソウスケ「『雑誌の作り方』みたいな業界人向けのHOW TO本を買って、みんなで読んでみたりしたのも良い思い出です。ゴールデンウィークが明けた頃に企画がまとまって、五月の終わりくらいにまるぼつ内で企画参加者を募りました」
はこ「取材に行って記事本文を書く『執筆課』、お店を題材にイラストを描く『イラスト課』、文章を校正する『校正課』、編集作業を担う『レイアウト課』、企画を管理する『企画課』に分かれて作業を行いました。やっぱり外部の方のご協力あっての企画だったので、募集をかける際には締切をしっかり守ること、企画中は絶対に音信不通にならないことを条件に設定しました(笑)」
ソウスケ「何もわからない、手探りの状態だったからこそ、綿密に計画を立てて丁寧にタスクをクリアしていった印象があります。あと、とにかく企画中はLINEでずっと連絡を取り合ってたなあ……」
はこ「そうだったね!取材を除けば全部オンラインで済んでしまう仕事だったので、ちょっと孤独を感じやすかった……(笑)。報連相をものすごく徹底したって意図もあったんだけど、実は私雑談しながらの方が仕事がよく進むので。ソウスケやさいんちゃん(会計)には、本当にお世話になりました(笑)」
ソウスケ「『ここ迷ってる』とか『ここでちょっと失敗しちゃった』みたいな、本当に些細なことでも報告し合いました。少しでも『ん?』って思ったところは必ず相談するようにしました」
はこ「それはもうまさに、ソウスケとのLINEは常時フル稼働という感じで。今回の場合、初めての企画だったっていうのもあったし、ふんわり『オシャレな街角紹介雑誌』みたいなゴールしか決めてなかったから、私とソウスケで話し合いながら完成形を定めていきました。報連相に助けられたことは、本当に枚挙に暇がありません!(笑)」

企画の中で触れた、地域のみなさまのあたたかさ

ソウスケ「総責のはこちゃんが全体のスケジュールと取材関連を管理して、冊子に載せる文章やイラスト、写真……いわゆる誌面を構成する『素材』を集めてきて、編集長の私がそれを原稿の形にして本にする、って分担でした。お互いスケジュールを詰めすぎたところは助け合いつつも(笑)」
はこ「途中で緊急事態宣言が出てしまったり、期末試験期間を挟んでしまったりで、取材パートは本当にスケジュールがギリギリでした。取材してはい終わり、じゃなくて、取材した内容を文章の記事やイラストにする時間を(執筆課・イラスト課の課員に)しっかり設けてあげたかったので、もういろいろ、時間が無くて……やばかったです(笑)」
ソウスケ「連日取材が入ったり、ダブルブッキングをしないと間に合わなかったりね」
はこ「そういう、私一人ではどうにもできないぞ~!って時は、同期のみんなに取材の引率を手伝ってもらいました。あと夏バテしてしまった時とかも。ソウスケ、君には本当に感謝しています……!」
ソウスケ「いやいや。修羅場だったね。すごく」
はこ「大変だったけど、でもずっと楽しかったな。ご協力くださった地域のみなさまも、私たちの制作方針にご賛同してくださって、応援してくださって。何事も手探りだったから確かに大変だったけど、お店や施設のことを詳しく知れたし、何より地域のみなさんにとてもあたたかく接してもらって……月並みな感想かもしれませんが、目白台って本当に良いところだなあと感じました!」
ソウスケ「原稿チェックをしていただく時も、献本を渡しに行った時も、みなさんとても優しくしてくださったよね」
はこ「本当に感謝してもしきれません。ご協力くださったみなさまのおかげで、とても素敵な冊子が完成しました。ありがとうございます!」

入稿直前トラブルも底力で回避

ソウスケ「実は今回、入稿を予定していた印刷会社さんで出してもらった見積料金が思っていたよりも高くなっちゃって、急遽別のソフトでデータを作り直さなきゃいけなくなってしまった事件が発生しまして……」
はこ「うわああ!修羅場その2だ!」
ソウスケ「しかも発覚したのが9月24日。目白祭は10月中旬です。出来れば、9月30日には入稿したい(笑)。人生で一番の絶望でした。一ヵ月かけてみんなで作ったデータなのに、こうなってしまって本当に申し訳なくて」
はこ「作り直しの報告を受けた時、すでに大学の後期が始まっていたんです。何て言うんだろ、本当に……修羅場でしたね……」
ソウスケ「ちょっとこの点に関して一つ、反省があって。例えばはこちゃんの場合、企画で失敗した時にすぐにヘルプサインを出してくるんだけど(笑)。ここがうまくできなくてこうなっちゃった、だから手伝ってほしい、とか。私は逆にそういうことが全然言えないタイプで、一度頼まれた仕事は全部抱え込んじゃう」
はこ「私はすぐ泣き言を言うタイプなので、同期や先輩後輩がすぐに駆け付けてくれるんです。手伝えることはありますか?ご飯食べてる?ちゃんと寝てる?電話する?チョコ食べる?みたいなふうに(笑)。良く言えば、助けを求めるのがうまい。悪く言えば、仕事の過程に対してのプライドがあまりない」
ソウスケ「でもそれが『仕事』での正しい姿勢なんだと思うよ。私は自分のミスは自分でカバーしなきゃ、責任を取って最後までやらなきゃ、って思い込んでしまいがちなんだけど、それはちょっと違うのかも?って今回気付きました。仕事で起きた想定外のミスって、自分一人で解決しなきゃいけないってわけじゃないじゃん?」
はこ「そうそう。団体の活動は助け合ってナンボだし、迷惑を掛け合うのが団体だもの。……これはちょっと言い過ぎか(笑)」
ソウスケ「だからみんなが『手伝う』って言ってくれて、本当に嬉しかったです。はこちゃんも、たくさん手伝ってくれてありがとう!(涙)」

「みんなで作品を作る」素晴らしさ

ソウスケ「でも、こうやって失敗しちゃって後悔してるところもたくさんあるんだけど、結果的に良かったなあって思ってることが1つあるんです。実は私の代わりに、はこちゃんが裏表紙と目次、スペシャルサンクスページ、製作スタッフ一覧、奥付を作ってくれたのですが……」
はこ「……みなさん、お気付きでしょうか。そこだけ私がWordソフトでレイアウトを作ったので、微妙に画質が悪いです(笑)」
ソウスケ「私がレイアウトの方向性を決めた他のページと比べると、はこちゃんが作ったページはちょっと雰囲気が違うんです。解像度の問題じゃなくて、雰囲気ですよ(笑)」
はこ「確かに。ソウスケの決めたデザインは、シンプルでオシャレって感じ。すっきり見やすくて、読みやすい」
ソウスケ「そこをすごく工夫したから、そう思ってもらえて嬉しい!はこちゃんは私とは逆に、華やかでかわいい感じのデザインを作るよね。背景を黒板にしたり、ノートにしたり、素材を大きくたくさん散りばめたり」
はこ「今そういう視点で冊子を見てみると、ソウスケのシンプルデザインが主役で、私の騒がしいデザインが差し色みたいに入ってて、すごくバランスがいいね(笑)」
ソウスケ「そうなのそうなの。特に、はこちゃんの後ろの方のページは、いろんな人がオリジナルのイラスト素材を提供してくれているから、ものすごく個性に溢れてて華やか。こういう作り方も素敵だなあって思った」
はこ「いろんな人が関わることで思ってもいない化学反応が起こるし、いろんな個性を繋ぎ合わせることで自分だけじゃ作れなかった味が出るよね、作品って。今回なんて、まさにそんな感じ!」
ソウスケ「うんうん。実は本編のレイアウトも、私は何となくの方向性を決めただけなんだ。ここにイラスト、写真、文章、アクセスを載せてねってレイアウト課のみんなに指定はしたんだけど。でも、写真の置き方とか素材の使い方とか、本当に課員によってものすごく個性が出てて……こういう配置の仕方があるんだ!ってものすごく参考になったし、楽しかった~」
はこ「確かに、写真とか素材イラストのセレクトにもみんなの個性が出てるね。みんなセンスがいいなあ」
ソウスケ「私がレイアウトをおおまかに決めた時は、ただの読みやすい普通の記事だったんです。でも、フォントとか挿絵のアドバイスをみんなからもらったり、レイアウト課の子それぞれが原稿を作ってくれたりしたことで、『等身大のかわいい記事』になった。そんな本編デザインに対して、はこちゃんたち『貴方が私のマスター課』のみんなの個性が爆発した、まったくテイストが異なる差し色ページが更に組み合わさった」
はこ「『貴方が私のマスター課』は、直前トラブルに駆け付けてこれを一気に解決してくれた七人の英霊、ゲフン、……もとい、七人のまるぼつ会員たちのことです(笑)」
ソウスケ「みんなに手伝ってもらえてとっても嬉しかったなあ。なんか、こういう大きな作品って、普通一人じゃ作れないじゃない?」
はこ「そうだね。仕事量はもちろんだけど、一人じゃ発想にも限界があるし」
ソウスケ「相談して悪くなることはない。言うだけで何かが変わるし、自分の気持ちを伝えるだけで絶対何かが変わる。仕事は抱え込まずに、みんなに協力してもらった方がいいんだなあ。……という学びを得ました!(笑)」

大学周辺の魅力をぎゅぎゅっと詰め込んだ『Bouquet』

はこ「振り返ると、本当にあっという間の半年間でした。“イラスト誌”の新しい形を模索しながら、地域のために出来ること、JWUのために出来ることを、会員みんなで一生懸命考えて完成したのが、キャンパス周辺マップ『Bouquet』です。在学生の方はもちろん、新入生のみなさまの大学生活の一助になれたら……これ以上の幸せはありません!」
ソウスケ「漫研のイラスト本ではありますが、何より『大学の周りにはどんな場所があるの?』という視点をとても大切にした冊子になってます。キャンパスから足を延ばして、カフェで一息ついたり、おいしいランチを食べたり、散策をしてみたり。目白台は本当に魅力的な場所です。空きコマや自由時間に是非、『Bouquet』を片手に“目白台散歩”、してみてください!」

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